兎耳

人間疲れた。
なんて思ってもやめる勇気などなく
消極的な策では、せいぜい猫耳とか兎耳をつけて
部屋でゴロゴロするくらい。


開き直ってみれば
人間だけが知り得る快楽というものがあり。
美味しいものとか、可愛い服とか、
他の趣味的な快楽に直に触れていると
ああ人間で良かったとか
これは、もしもお人形だったら絶対味わえなかったとか。
そんな本末転倒なことを思いながら


近年、可愛い服は犬でも来ているので
快楽として格下げになったような気がする。

晴れ着を着たわんちゃん達は、
ちょっと恥ずかしそうにするのもいるけれど
まんざら嫌でも無さそうな表情であったりして


去年は浴衣のようなものを着たワンワンを見て
「最近、私だって着てないのに」なんて思った。
犬は犬らしくしてればいいものをと
変な嫉妬。
それでも、もし自分がチワワを飼ったら絶対に
可愛いお洋服を着せる自信がある。


だって、服があまり売って無さそうな犬種は
飼うことさえ想像できないのだから。


…となると
「本当に犬が好きなの?」って言われそうだけど。


球体関節人形を持って歩く大人の人間は
きっと危険視されるけれど
服を着た犬を散歩させるのは、
いまとなっては、やや自然。


流行は、威力だ。