振袖

escargotskin2011-01-10

振り袖に襟巻きの華々しい新成人達を
街で幾人か見かける。


ピンク〜パープルのぼかしに白い花模様
というのが今年の成人式の流行のようだ。
襟巻きはプラチナホワイトで小振り。


なぜだか成人式の振り袖にも流行があって
昔は、オレンジか赤のぼかしばかりで
金魚の群れのようだったけれど。
今の波は、やや青みを帯びている。
襟巻きもリアルファーのゴージャスなものから
フェイクチープな小さなものに変わっているのは
世相や動物愛護の風潮を反映してのことかも知れない。


特に着る機会もないのに
何故か私も振り袖を持っている。
黒に金!
赤や白の絵柄が入っていて
ぼかし染めなんて余裕も優しさも全くない
大胆ストレートな柄裄のものだ。


確か祖母が姉の成人式用にと
選んだものだったが
姉はこういうはっきりしたデザインが
どうも似合わないので
小学校を卒業するかしないかで
「成人式で着てね」と私のものになってしまった。


ケバい!などと最初は思っていたけれど
黒と金という配色は案外大人っぽい。
着物の柄だけを見るともの凄く派手なようでも
袖を通してみると
振り袖としては以外に地味に見えたりするから不思議だ。


でも成人式には出席しなかった。
律儀に住民票を東京に移していたので
地元ではないから
知らない人ばかりでつまらない上
確か、あの日は東京に大雪が積もった日だった。
大雪の中、ズボズボと振り袖で歩く同年代の人達を
大変そうだなと思いながら
学校のレポートを書いてその日を過ごした。