手紙

書かないでおこうかと思ったけれど
やっぱり書いておこうかな、自分の為に。

修道院から封筒が届いた。
中身はポートレートと、キリストのカード、手紙。
これで終ったんだ。

私が昔、手がけた本でインタヴューさせて頂いてもらった両足を切断して修道女になったという…。
当時はフランスの修道院に電話インタヴューだったけれど、ここ数年は日本へ帰ってきていた。
信仰は無いけれど、私は何度か、修道院に泊めてもらって、
沢山話しをしたのに、本当はまだまだ話したいことがあった。
「私達、こんなに年が離れてるのに、気が合うのね。学校の友達みたい」
先月、亡くなった修道女さん。
Sr.ゆりこ、は天真爛漫で率直な物言いをする人だった。
葬儀の最中も頭ではわかっていても
なぜか信じられなくて、お葬式ごっこをしているような感覚。
お骨も拾ったのに、この現実感の無さは何なのだろうか。

手紙は修道院に泊まった時に
いつもお世話係をしてくれた修道女さんからだった。
キリストのカードは、Sr,ゆりこの机からでてきた、ポーランドに出現したキリストの絵だとうことだ。
裏には何か書かれているけれど全然読めない言語。
大事にしよう。
さようなら。