石転

ストーンズを観に東京ドームへ。
まず。客層に驚く。
前を歩いていたのは、杖をついた背中の曲がったおばあちゃん。
人ごみで、おばあちゃんが転ばないか内心ハラハラしながらの入場となった。

東京ドームってやっぱ広い、と思いながらぼーっと開演を待って席に座っていると
隣の方に声をかけて頂いた。
「お若いのにストーンズ聴くの?うちの子なんて5歳から聞かせてるのに全然なのよ。一人で来たの?偉いわねー」等々
いったい何歳児だと思われてるのだろう?それとも精神年齢を見抜く特殊能力でも持っているかしらん?

客電が消えると、歓声がわきおこった。
モノホンのストーンズのメンバーが次々出てくる。
ミックが下手な日本語で言った「オヒサシブリデス」

ローリング・ストーンズって皆ちっちゃいんだな。
お箸でつまめそうなほど小さい。
隣の大画面とステージを交互に観ながら
小さい頃、テレビの後ろには小さい人がいて
動いているのだろうと信じてたことを思い出した。
今、観てるのはその小さい人と画面なんだ!
すごい、出てきちゃったよ!
夢みたいってこういうことなんだな。

現実感の無いまま、サティスファクションで全ての曲が終った。

Tシャツ買ってきてね、と友達に頼まれていたので物販に寒空の下並ぶ。
一時間半くらい並んだと思う、寒くて手がかじかむけど友達とラインでやりとりする。
「どれにする?」
「どれでもいい」

「サイズは?」
「わかんない」

もう並ぶのやめて帰ったろか、と思ったけど後ろを観ると人がギッシリ並んでいて
とてももう逆流なんてできない。
今日は意外と星が出てるんだ、と空を見上げていた。