上下
いまさっきうたた寝をしていて
起きたところ
夢をみた。
中世ヨーロッパ調の灰色の石畳の町並。
その街全体が一日のうち
水没したり、また浮上したりする。
海の潮の満ち引きのように滑らかではなく
釘に打たれたように
かなり段階的に下がったり上がってきたり
水没すると街の教会のてっぺんまで水の中。
その街ゆかりの俳優さんの出演する映画を
街の広場で上映しようと
何故か企てた私は
街の特殊さに驚きながら
計算を強いられた。
上映できる時間が限られてくるのだ。
街の構造をジオラマで説明してもらったり
ガックン、ガックンと下がっていったりする状況に
少々戸惑いながら
とうとう上映の日
今は年を取ったその俳優さんも奥さんと一緒に観にきてくれて
街の広場に人がぽつりぽつりと集まり始まり
映画上映が始まったところで
ほっとして目が覚めた。
最初のシーンしか観てないけれど
なぜかロカビリーな映画だった。
色は、白黒ではなく
ショッキングピンクと空色と白黒調だった。
一時間半くらいある映画だったから
いま頃は割と派手なシーン展開をされている頃だろう。