隣席

escargotskin2011-07-30

とにかく凄かった。
ステージも贅沢でずっと気の抜けない濃いものばかりだったけれど、
隣の華奢な女の子が、船を漕ぐとか、首の体操とかのレベルを超越して
何かに憑依されたかのように
のけぞったり、机にぶつかりそうになったり
前へ倒れたり、こっちへ倒れてきたり
横ではらはらし続けて
「膝で寝ていいですよ」と小声で言っても
ほとんど夢遊病者のように
目を開けていられる時間があまりないので
聞こえていない。
そして割り切ってテーブルに突っ伏してしまえば良いものを
きっとがんばり屋さんなのか
なかなかそうしようともせず
曲が終ったのを感知すれば拍手をしようとするも
その拍手も途中で止まり
祈りのポーズと化して眠ってしまう。
あげくの果てにステージから薔薇を沢山投げられていたが
やはりなかなか起きずに
彼女の周囲は薔薇がいっぱい。
可哀想というか羨ましいというか…


首から時計のペンダントを下げ、腕には腕時計をして
お洒落とは言え流行とは言え
そのアクセサリーから強迫観念を感じ取る。