透明

汚染物質を放出しているという
ちまたで噂の
焼却炉の煙突は
いつも見てる風景の中にあったりする。


現実ってとても現実感のないものだ。


幼い頃、20才になることは
しっかりした大人になることだと思っていたけれど
20才になった頃の実際感覚はこんなものかと。
そんなようなものだった。


悪夢のようなものも
極悪人も
側に居れば
普通なんだろう。


というか
現実なんて
本来は身体感覚で測れるものではないのだろう。
だから数字が生まれて
数値がでて
相対性理論のようなものが発生するのだろう。


白くもなく
黒くもなく
無色透明の
水のような
空気のような
涙にもならない
漠然とした不安。


美しい未来に憧れたわけでは無かったけれど
汚染された現実を思い描いたことも無かった。