吸引

escargotskin2011-06-12

季節外れにブーツを履いていた。
街の女の子はサンダル履き中心。
携帯電話の電池が切れた。
レモンを絞ってジンジャーエールを飲む。
色鮮やかなインコ。
246の歩道橋の上で、声をかけられた、友達だった。
偶然に驚く。
カフェから出ると雨が降っていた。
地下鉄は蒸していた。
前の席が空いたので座る。
本も持ってきてないし、電池もないし、中吊りなど眺める。
隣の人が『パイレーツ・オブ・カリビアン』のパンフを丁寧に読んでいる。
近いところが見えないのか、少し離しているのでよく見える。
席をたつ時『ベリッ』と音にならない音がしたような気がした。
電車を降りてマンションの前までくると、道を聞かれた。
『そこの信号を右へ行ってずっと歩いていったところです。』
以前からよく道を聞かれるタイプだったので、昔は慣れていたけれど
最近は高機能な携帯電話のせいか、あまり声をかけられなくなっていた。
自室のポストをのぞくと、大量のチラシと一緒に封筒が届いていた。
薬を飲んでから眠るまでの間に、変な物欲がうごめき出してネットで買ってしまったDVDだろう。
注文確認のメールがきたから、うろ覚えだけれどもわかる。
この前はレーザーディスクだった。
再生機がないので、どうしようもない。
今回は観れるだけ好しとする。
さっき、道を聞いてきた若者が又、戻ってきた。
『信号って、あの一番近い信号ですよね?』
『そうです。右に曲がって、途中ちょっと不安になるかもしれないけれど、ずっと行って下さい。』
『結構歩く感じですか?』
『五分くらいです。』
部屋に戻って封筒をあけた。
なんとなく、髪へ手をやってなでていた。
どうしても指がひっかかる場所がある。
見てみると見覚えのないピップエレキバンだった。
髪を洗った。