地震

地震当時、神保町の画材屋、
文房堂で三階の額縁屋で選んで作ってもらっていた。

三時に取りに行く予定だったので、
周囲をぶらぶら徘徊したあと
文房堂の地下で大きい画用紙を選ぼうとしたら、地震がきた。
「こわっ」と声を上げて真っ先に逃げる。
交差点には徐々に人が増えていた。



隣のカラオケ屋さんは
ショーウインドウになぜかテレビがあって
この地震被害の大きさを知った。


交通機関は止まってしまっているし、
もう歩いて帰るしか無いと決めた。
大きい額を両手に持って歩き続ける。



九段会館では、卒業式にそぐわない鳴き方をした振り袖はかま姿という出で立ちで
泣いている女の子がいた。
救急車と消防車とテレビ局のカメラと報道車でいっぱい。


竹橋くらいまで歩いたところで
タクシーから降りてくる人がい一人居たので
かわりに乗せてもらった。

家に帰ったら、地震でうちカギが閉まっていて開かなくなっていたけれど
右往左往している間に、近所の人があけてくれたらしい。