南瓜

落雷の音で目が覚めた
南瓜祭が終っちゃった。


思えばここ数年、毎年南瓜パーティーに出かけていたが
今年はおパーティーには行かなかった。
この日の為の変な衣装がいくつかあるけれど
処分しよう、その内。


去年の南瓜祭の時、お化け屋敷とかあって
すごく怖くて楽しかったけれど
背後からお酒を頭から浴びせられて
かぶっていたヴィクトリアンボンネットが駄目になった。
隣にいた女の子も少しかかってしまった。


昔、雑誌を作った時、モデルをやりたいとか、文章や絵を載せたいとか
そういう人がたくさん居て、お断りする機会も少なくなかった。
モデル志望の人で、もうその人に決めていたけれど
「ニキビと肌荒れが気になるから、なんとか撮影当日までに治してきてね。」
と念を押した人も居た、メイク頁でアップが多いのだ。


撮影前日に他の誰かからメールがあって
「そのモデル志望の子と一緒に、今一緒にBARで飲んでまーす。明日撮影なんですよね」
というような内容のメールがあったので、「写メ送って」と返信した。
楽しそうな写真だったが、ニキビは携帯画像でも分かるくらい治癒されていなかった。


可哀想だけど、お断りした。
「えー、そんな!!!ニキビなんて写真加工でなんとかしてくださいよ。」
と言われた、それはもちろん出来なくもないのだけれど
その加工をするのは私なのだ。
これ以上余計な仕事を増やしたくないし
他に切実にモデルをしたいという綺麗な人はたくさんいた。
そして何より、そんないい加減な気持ちで参加してほしくなかった。
読んだ人がどんな気持ちで手に取ったかはそれぞれかも知れないけれど
私は私なりに、全力尽くして作っていたのだ。
他にも私をよく思っていない人はきっとたくさん、いるだろうと思う。


もしかしたら。
お菓子をあげなかったから、悪戯されちゃったのかも知れない。


この絵のタイトルは
『でも、俺たちは間違ってない』