紫煙

escargotskin2010-08-31

『侍がピアノを叩いている』そんな感じだ。
フリージャズピアノのスガダイローが一曲弾くと、一時間経ってた。
でも全然退屈しない。
聴いてると、氷柱みたいな、結晶みたいな、流氷みたいな硬質な形が
次々と立ち上がってくる。
きっとヴィヴィアン佐藤さんも私と同じような形態を脳内に観たのだと思う。
壁、一面に千枚の蒼い花菖蒲の絵は須賀大郎さんのピアノへのオマージュ。
とてもいい時間だったと思う。
ちょっと迷いもあったけど来てよかった。
隣で一緒に観てた櫻田宗久君も何度も拍手を繰り返していた。
櫻田宗久君とは、示し合わせたわけでも無いけれど会うのは
8月中3回目だったりする。
昔、私が主になって携わった雑誌の誌面を華やかに飾ってくれた。
あの雑誌が写真家デヴューだったとか。
演奏が終って、私が櫻田宗久君に「須賀さんって侍っぽいよね。」
って言ったら
「うん侍に似てる、だからヴィヴィアンさんは花菖蒲を描いたんじゃないのかな。」


だけど、あの場所、空調が悪かった。
「世界中の人に発信したい」ってお店側の人達は言ってたけど
その場所に来てる人にももう少し愛情を持って欲しいな。
『煙が目にしみる』って曲のタイトルの状況を思い知った。
本当に目にしみるのだ、周りの人の煙が…。
イベントが終ってご挨拶もそこそこに退散してしまった。
帰ったら目が充血してたよ。
ロックは健全なものになってきてるけど
ジャズはまだまだ音楽のデカタンな部分を保ち、
引きずってくれているのかも知れない。